女好き彼氏
「悠雅は美夜を諦めるの?」
カタカタと小さく震えていた自分の身体が
海哉のその言葉でピタリと止まる。
そしてまた俺は海哉の瞳を見る。
海哉はいつもみたいな
どうでもいいって感じの
ぼけっとした表情じゃなくて
ものすごく真剣な顔に俺を見ていた
俺のことをちゃんと考えてくれてるみたいだ。
「好きなら諦めるな」
海哉がベッドから降りて立ち上がる。
「好きなのになんで諦めるの?
好きなら……力ずくでも手に入れろ」
そう言って近付いてきた海哉が
俺の目の前に人差し指をずいっと突き刺し
もう片方の手を自分の腰に当てて
まるで決まったとでも言うようなポーズで
俺の心に響くことを言ってきた。