女好き彼氏
「そ……だな」
聖斗も笑う。
あぁ……よかった。
あたし、ちゃんと笑えてたみたい。
あたしは
聖斗と学校まで一緒に歩いて行った。
昨日の事が何もなかったみたいに他愛もない話をたくさんした。
その他愛ないことが楽しくて
帰りも一緒に帰ろうって約束もした。
そうしたらすぐに学校の校門に着いた。
「じゃあ俺こっちだから」
そう言いながら中等部の校舎を指差す聖斗。
そのときにはもう聖斗の顔に
本当の笑顔が浮かんでいた。
「うん、また帰りに会おう」
あたしがにこっと微笑んで見せる。
それを見て聖斗もニコッと笑って中等部の方に走っていく。
あたしは聖斗の後ろ姿をジッと見ていた。
「おはよっ、美夜」
そう言われて後ろから肩をぽんっと叩かれた。
「あ……てるちゃん。おはよっ」