女好き彼氏
あぁ、言ってしまった。
悠雅って名前で初めて呼んで…
初めて悠雅に好きって
震える声で……
絞り出したような声で……
あなたの耳元に囁いた。
「え……?」
あわあわしていた悠雅の動きがピタリと止まる。
そして、あたしは悠雅から少し離れて
悠雅の表情がぎりぎりわかるかわからないかの近い距離を保つ。
「悠雅のことが好きッ。
悠雅の声も
悠雅の大きい手も
悠雅の変態な性格も
悠雅のすべてが大好きです」
ポロポロと流れる涙のせいで悠雅の顔がよく見えない。
笑って嬉しい表情を浮かべているのか
困って苦しい表情を浮かべているのか
冷たい表情を浮かべてあたしを睨んでいるのか
わからない。
でも
一つだけわかった。
あたしが思ったことは全部ハズレだと言うこと。
悠雅は
顔を真っ赤にして
泣いていた。