女好き彼氏


俺にはすぐわかる。

聞き慣れたその声の主は聖斗だった。


聖斗は切なそうに……

今にも泣いてしまいしうな表情を浮かべて

美夜のことだけをじっと見つめていた。



美夜もその視線に気がついたのか

小さな体をビクッと動かして
気まずそうに下を向いてしまう。


そんな美夜を見て、聖斗は小さなため息を吐き
美夜の方に一歩ずつ進んでいく。


ん?

なんかやばくない?

って、俺の心の中の何かがざわついた。


俺はすかさず
美夜に近づく聖斗を止めにかかろうとした……


ガシッ。


「え!?……むぐっ」


誰かが俺の両手首をがっしり掴んできた。


ついでに口も塞がれてしまって
引きずられるみたいに
ソファーの後ろに隠れさせられる。


「黙ってなよ、悠雅」

そう言って俺の口を力強く押さえているのが海哉。

「動いたら、この腕へし折りますから」


そう言って今にも折れるんじゃないかってぐらいの力で俺の腕を掴んできたのは光太ってやつ。



な、なんだ!?この状況!!









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