女好き彼氏
美夜の顔は聖斗の手に隠されて
どんな表情をしているかわからない。
でも、美夜のことだから顔を真っ赤にして
今にも泣いてしまいそうな顔をしているに違いない。
「聖斗……、ごめん…あたし」
美夜が申しわけなさそうに何かを言いかけたとき
聖斗は切なそうににっこりと微笑んだ。
「気にしないでよ。美夜が幸せなら……
俺はそれだけで幸せになれるんだ」
聖斗はその言葉につけたして美夜に『泣かないで…』っとも言っていた。
正直、聖斗は美夜のこと本気じゃないと思ってた。
でも鏡越しの聖斗はここからでも見えるぐらい震えてて、今にも泣いてしまいそうに笑っている。
あぁ、こいつ……ホントに美夜のこと好きだったんだ。
俺の心がなんだかキュッと苦しくなった。
そして、俺がもう暴れないと思ったのか
光太と海哉は俺から手を離していた。
美夜が何度も聖斗にあやまって……
聖斗はそんな美夜の小さな頭を優しく撫でて……
美夜の顎をすくい上げて…
聖斗は自分の唇を近づけ……
って、ん?