女好き彼氏
「せ、聖斗?」
徐々に近づいてきた聖斗に戸惑っている声を出す美夜。
「大丈夫……」
そう言って、自分の顔をどんどん美夜に近づけていく聖斗。
こ、これって……まさか。
「「やめろ!バカ聖斗!!」」
俺は頭で考えるよりも先に
身体が勝手に立ち上がり、飛び出すようにソファーの後ろから顔を出す。
そして、その行動をしたのは俺だけじゃない。
俺の隣にいた美夜の弟である、光太も俺と同じように飛び出していた。
もちろん、海哉はニヤニヤしながら焦る俺たちを見ている。
そう、俺達は焦ってた。
だって俺の彼女……ってめちゃ好きな美夜が目の前で男にキスされそうになってんだぞ?
そりゃさ、誰だって焦るよな?
でも聖斗はにやっとした表情で
俺たちの方を見る。