女好き彼氏
「美夜は俺の彼女だ、気安く触ったり近づいたりしたら……誰だろうと容赦しねぇぞ」
俺は、目の前に立っている男たちにそう言うと
美夜を連れてすぐさま校長室から出るためにスタスタと扉の方まで歩いていく。
「異常なぐらい美夜のこと好きだな…」
そうぽつりと呟いた光太。
「そりゃね。俺が悠雅にあの子のことでどんだけ相談のってたか……」
ため息と一緒に光太の呟きにこたえるみたいに海哉はそう言っていた。
光太は自分の手をぎゅっと握って何かに耐えているみたいに見えたけど……
俺はそんなこと知る由もなく
校長室を後にした。
あわあわと顔を真っ赤にして俺についてくる美夜はとてつもなく可愛い。
あぁ、早く……早く。
俺は焦り、少し早歩きになりながら
誰もいなさそうな校舎の一番隅にある階段の影に美夜を連れて隠れる。
「あ、あの……ゆ……星野君?」
美夜の顔はさっきよりも赤身は引いていたがまだピンク色に染まっている。
って言うか……あれ?