女好き彼氏



なんでだろう。



玲が悠雅のことを名前で呼んだからモヤッとしたのかな?



あたしはそう考えてた。



でもあんまり深く考えないようにした。



「そうだね」



あたしも玲に微笑みを返した。



そしたら



ほんの一瞬だけ



冷たくあたしを恨むような目付きで睨んだ――



気がしたんだ。



でもそれは本当に一瞬で

玲の表情は、また笑顔に戻ってあたしに話しかける。



「悠雅君ってさ……細く見えるのに以外と力強いよね……」



あたしはその言葉にまた違和感を感じる。



「そ…うだね」



あたしは苦笑いを浮かべる。


あ、れ………?

そうだったかな?



「抱き締める力も強くて……甘い声で耳元で囁かれたらもう溶けるみたいになっちゃう」




その言葉にあたしは何も言えなかった。






< 211 / 310 >

この作品をシェア

pagetop