女好き彼氏
――悠雅――
なんか…
ムカツク。
美夜の細い肩をガッシリ掴んで
美夜の可愛い顔を真っ青にさせてる保健室の先生。
あぁ…
イライラする。
俺は先生の肩を掴んで自分の方に引き寄せる。
「先生…生徒に手を出すなんて犯罪なんじゃないですか?」
出来るだけ冷たい声で
出来るだけ笑顔でそう言った。
絶対、笑顔は引きつってたと思うけど……
すると先生がフッと鼻で笑ってから口を開けた。
「俺が美夜を襲うわけないだろ?」
俺は聞き逃さなかった。
さっきこいつは
美夜のことを
呼び捨てで呼んだ。
【美夜】だって?
怒りがフツフツと腹の中から沸き上がる。