女好き彼氏



あたしは自分の瞳から流れ出す涙を必死に手の甲で拭く。


でも涙は次から次へと流れ出し止まる気配がない。



今、あたしの心にあるのは大きな不安と願いだけ……





あたしは自分の胸の近くで両手を絡ませ神様に祈る。



お願いします


どうか


星野 悠雅を助けて下さい


あたしを庇った大好きな人を
あたしの大切な人を…


あたしは病院に着くまでずっと祈ってた。








病院に着くと聖斗がいた。



「美夜っ!!」



あたしに気づいた聖斗は走って近づいてくる。


その表情は何故か笑顔だった。



「ど、どうして笑ってるの!?悠雅は!?」


あたしはここが病院だってことを忘れて
震える喉で大きめの声を出す。



すると聖斗があたしの左肩を軽く叩いて優しい笑顔で話し出した。









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