女好き彼氏



「さっき手術が終わったんだ。悠雅は無事だよ」


あたしは目を見開いた。


「ほ、本当に?」



「あぁ、もう目を覚ましてるんじゃないかな?」



その聖斗の言葉を聞いて今にも走り出したい気持ちになった。



でもあたしはそんな気持ちを押さえて聖斗と一緒に悠雅がいる病室に歩いて向かった。



よかった、よかった……
ほんとによかった。


悠雅が無事で……。


あたしは悠雅の病室に行くまでの間に
聖斗に悠雅は今どんな状態か聞いた。


どうやら頭を強く打って気絶して
殴られた金属バットに何か尖ったものが悠雅の頭に当たって血が出てしまっただけらしい。


頭からは血がたくさん出るからって
お医者さんも苦笑いしながら言ってたんだって。






















「ここが悠雅の病室」


にこにこと微笑んだ聖斗がそう言って扉の前に立つ。


あたしはそれを聞いて扉を勢いよく開けた。








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