女好き彼氏



あたしは泣きながらトイレの鏡を見ていたその時


「美夜?大丈夫?」


女子トイレの扉が開いて少し息を荒くした玲が顔を見せる。


玲の姿を見てあたしは
自分の涙でぐちゃぐちゃになった顔を水で洗う。


泣いている顔を玲に見られないようにするために…………


「あ……ごめんね、お腹痛かったからさぁ」


出来るだけ明るく振る舞う。


玲に心配されたくないし。


「そ…うだったんだ……
あたし、てっきり泣いてるのかと思ったよ」


ドキンッ


やっぱり
玲は、鋭いな………。


それに優しいよ………。


このことに触れないでほしいって思った時、
絶対に聞いてこない。


だけど
いつもあたしの隣で元気に笑ってくれる大切な心友。




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