女好き彼氏
「あららぁ、そう見えるかな?」
「見える。ってか美夜からいつも聞いてるし」
「え?」
さっきまでのトゲのある言葉が穏やかになる。
「また他の女と帰るとか他の女とキスしてたとか……
今、こうして美夜が熱を出したのは、お前のせいなんだよ!!」
「…………」
星野くんは何も言い返さない。
星野くん?
さっきまでの悪魔みたいな笑顔も消えて
真剣な表情にかわっていた。
その表情は、どこか切なくて悲しそうに見えた。
あたしが星野くんに話しかけようとした時。
星野くんはあたしから離れて何も言わないまま部屋を出ていってしまった。