君には、絶対に…
「何だよ~!様子が変だったから、妙に緊張したじゃねぇかよ~!こういうことは、もっと、サラッと言え、サラッと。心臓に悪い!」

本当は悪あがきだと分かっていても、自分の気持ちを言ってしまいたくなるだろう。

でも、今の関係を壊したくないから、あえて何事もなかったかのように笑って、無理矢理にでも笑って振舞わなければならない…。

今の睦が、まさにその状況で、それを実行している…。

もしかしたら、俺にも起こりえる状況だからこそ、俺は睦の気持ちが痛いほど分かる…。

きっと、俺もこうすることしか出来ないだろうから…。

「話したのは良いとしても、ああいう雰囲気を出すのは、お姉さん、ちょっと気分悪いなぁ~!」

冗談っぽく笑いながら、未来先輩が将人を叱り、ちょっかいを出す姿を見ていて、みんなで笑い合った。

でも、その姿を見るだけで、睦の気持ちは、複雑になる一方だったと思う…。

だって、2人とも、満面の笑みで、ふざけあっているんだから、気分が良くなるわけがないから。
< 103 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop