君には、絶対に…
将人の雰囲気が、いつもよりも楽しそうな雰囲気に変わったことで、祝勝会自体は盛り上がった。

最初は一言も話せずにいた今井さんも、雰囲気が良くなるにつれて、笑顔で話を出来るようになっていた。

夕方５時を回ったところで、そろそろ暗くなるから、解散することにした。

「じゃあ、また明日！」

ファミレスを出てしばらくして、睦がそう言って、先陣を切って帰っていた。

それを見て、それぞれの家に向かって歩き出した。

今日の将人の告白によって、今井さんにとっては、千載一遇のチャンスが巡ってきた。

睦が恋焦がれていた未来先輩は、将人と付き合うことになったんだから…。

可能性が０じゃなくなった…。

そして、睦にとっては、すごく辛い現実を突きつけられた。

ただ、その現実は、今の関係を壊さない限り、絶対に変えられない現実だ…。

きっと、睦は今の関係を壊そうとはしないだろう…。

未来先輩のことを諦める道を選ぶような気がする…。

ここで、今井さんが告白したら…。

そんなことを考えたら、睦が今井さんと付き合うことはないと分かっていても、少し怖くなっていた…。
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