君には、絶対に…
「そいつが…そいつがそう言ったのか…?」

「それだけか…?言うことは…それだけなのか…!?」

豪雨や暴風を切り裂くように、大声で叫ぶが、言ってほしい言葉は何一つ返ってこない…。

その様子を見て…絶望した…。

信じていたのに…信じたかったのに…。

「俺はお前に…失望した…。何でだよ!!何で、何でこんな…!!前に俺に言った言葉は嘘だったのかよ!!」

「ちょっと落ち着けよ!!きっと、言い分があるんだろ!?なぁ、―――」

溢れる涙を拭いながら、心からの叫びをぶつける。

もう言い分なんかに興味はない。

どんな言い分があったとしても、結果はもう出ているんだから。

そう、言い返さなかった時点で、この事件の結果は出たんだから…。

「お前…お前だけは…どんなことがあっても…絶対に許さない…!!」

そして、最後にそう叫び、その場から立ち去ろうと、右足を一歩踏み出す。

一歩踏み出した瞬間、後ろから声が弱々しく、近くにいなきゃ、きっと、豪雨と暴風に掻き消されてしまって聞こえないかも知れないっていうぐらい、小さな声が聞こえる。

「あ…。来てくれたんだね…。良かった―――」
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