君には、絶対に…
第1章【May(洋介)】
【結成】
『スパンッ!!』
「第23回バスケットボール大会中学生の部決勝戦も、試合終了の時間が近付いてきています!!しかし、ここに来て、チーム“May”!怒涛の追い上げを見せています!!」
「まだいける!!まだいけるぞ!!諦めんなよ!?」
チームメイトである睦(あつし)が俺と将人(まさと)に向かって、大声で叫ぶ。
そうは言っても、残り時間は20秒を切ろうとしていて、38対36と、2点差で負けている状況だ…。
勝てる可能性がないわけじゃないけど、勝てる可能性はかなり低い…。
でも、俺はどうしても勝ちたかった…。
だって、俺達がチームを結成してから初めて出場した大会だったから。
『ダム…ダム…ダム…。』
残り時間を削るために、相手チームはボールをキープしながら、オフェンスを仕掛ける。
『13…12…11…。』
少しずつ、でも、確実に残り時間は減り、負けが確定する瞬間が近付いてくる。
それを察して、ギャラリーの声も心なしか小さくなってきた。
このままじゃ負ける…。ここまで来て、負けたくない!!
頭の中でそう強く思った瞬間、俺の体は無意識に動く。
『パスンッ!』
「おっと!!ここで、伊原君がパスボールをカット!!一気にコートを走り抜けます!!」
勝ちたい。どうしても優勝したい。
俺の頭には、もうそれしかなくて、とにかく無我夢中だった。
「洋介(ようすけ)!!行っちまえ!!」
俺の耳には、もうギャラリーの声も、実況の声も、仲間の声でさえ聞こえていない。
ただ感じるのは、この空間の熱気と高ぶる鼓動だけだ。
「第23回バスケットボール大会中学生の部決勝戦も、試合終了の時間が近付いてきています!!しかし、ここに来て、チーム“May”!怒涛の追い上げを見せています!!」
「まだいける!!まだいけるぞ!!諦めんなよ!?」
チームメイトである睦(あつし)が俺と将人(まさと)に向かって、大声で叫ぶ。
そうは言っても、残り時間は20秒を切ろうとしていて、38対36と、2点差で負けている状況だ…。
勝てる可能性がないわけじゃないけど、勝てる可能性はかなり低い…。
でも、俺はどうしても勝ちたかった…。
だって、俺達がチームを結成してから初めて出場した大会だったから。
『ダム…ダム…ダム…。』
残り時間を削るために、相手チームはボールをキープしながら、オフェンスを仕掛ける。
『13…12…11…。』
少しずつ、でも、確実に残り時間は減り、負けが確定する瞬間が近付いてくる。
それを察して、ギャラリーの声も心なしか小さくなってきた。
このままじゃ負ける…。ここまで来て、負けたくない!!
頭の中でそう強く思った瞬間、俺の体は無意識に動く。
『パスンッ!』
「おっと!!ここで、伊原君がパスボールをカット!!一気にコートを走り抜けます!!」
勝ちたい。どうしても優勝したい。
俺の頭には、もうそれしかなくて、とにかく無我夢中だった。
「洋介(ようすけ)!!行っちまえ!!」
俺の耳には、もうギャラリーの声も、実況の声も、仲間の声でさえ聞こえていない。
ただ感じるのは、この空間の熱気と高ぶる鼓動だけだ。