贈り物

つまらない勉強を一生懸命するわけでもなく、ぼーっと窓から中庭を眺めた。


中庭いっぱいに広がる薔薇に、心を奪われたのは入学式の時…私はなぜか薔薇に親近感をもった。花な親近感って可笑しいかもしれないけど、その言葉が一番フィットしていると思う。




「桃花!!!」


バシッ


「いったー…」


頭が痛い。幸に思いっきり頭をぶたれた。


「幸の馬鹿力!!!」


「何回呼んでも起きないからでしょ。ほら、帰るよー」


帰る…?黒板の上の時計を見てみると、6時。もう下校時間だ。それより私はいつから寝てたのだろう…

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