贈り物
利用



吐息が白くなり、空へと昇る。



「今日は一段と寒いね」



そう言う幸は頬を赤くしている。



雪が降るわけでもないのに、こんなに寒いなんて…いっそのこと東北らへんの雪国に行って寒くてもいいから、雪が見たい…






「今日はどっか寄っていく?」



街の方を指差して幸が言った。



「ううん、今日は家にまっすぐ帰るよ」



あめは寂しがり屋みたいで、家にいる時ずっと私に寄り添ってくる。いまも家で一人寂しいだろう…






「あめ、ただいま」



玄関に鍵をかけ、部屋に入っていくと、雨がミャ―とないて向かえてくれた。



それだけで私の頬は緩み、優しく暖かい気持ちになる…



< 26 / 45 >

この作品をシェア

pagetop