贈り物
利用
吐息が白くなり、空へと昇る。
「今日は一段と寒いね」
そう言う幸は頬を赤くしている。
雪が降るわけでもないのに、こんなに寒いなんて…いっそのこと東北らへんの雪国に行って寒くてもいいから、雪が見たい…
「今日はどっか寄っていく?」
街の方を指差して幸が言った。
「ううん、今日は家にまっすぐ帰るよ」
あめは寂しがり屋みたいで、家にいる時ずっと私に寄り添ってくる。いまも家で一人寂しいだろう…
「あめ、ただいま」
玄関に鍵をかけ、部屋に入っていくと、雨がミャ―とないて向かえてくれた。
それだけで私の頬は緩み、優しく暖かい気持ちになる…