贈り物


あまりにもしつこいので電話に出ることにした。




「おい、てめ―なに勝手に終わらせてんだよ」


いつものおちゃらけた声ではなく、底から怒りを露にした声…





「いまからお前ん家行くから」



プッ



切れてしまった。



彼方の顔なら多くの女は喜んで足を開くだろう。なのに、なんであたし…?




ピンポーン






慣れてるはずの彼方の呼び鈴に戸惑いを隠せない…



ドアを一枚隔てた向こうに奴がいる






「居留守しよっかな…」








「いるのわかってんだから開けろ」


外から大きな声が聞こえる。





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