それでも君が好きだった
あたしは正門で配られた
新クラス発表の紙を見た
“佐藤 梓”
あたしの名前は
3年3組の欄にあった
他の3年3組のメンバーは
あえて見なかった
そのまま下駄箱に行って
教室へ向かった
3年3組は
3階まで階段を上って
手前から3番目
あたしは教室へ入った
するといきなり
「あーずーさっ!!!」
可奈子が抱きついてきた
可奈子とは小学校は違ったものの
小学校から同じ塾で
ずっと仲良しだった
あたしは可奈子と
同じ志望校にしてて
“二人で頑張って結城高校受かろう”
こんな事決めるくらい
仲良がよかったんだ
「えっ可奈3組!?」
「そーだよー!ウチも3組!
梓と同じクラスなんて最高」
「あたしも嬉しい!」
可奈子はいきなり泣きそうだった
「ちょっやめてよ~!
入っていきなり泣くなって!
これからもっと楽しいこと
たくさんあんだからさっ!きっと」
「うん…」
あたしは可奈子のこういう
すぐ泣いちゃうとことか
女の子らしいところが大好きだった