元気あげます!
「するなとおっしゃるなら、私は裕文さんのお仕事のバックアップをやらせていただきます。」

「うそだ。そんなことできるわけないだろ。」


「千裕様は私におっしゃいました。この前のプレゼンはほんとに痛かったと。
次も向かってくるなら私が敵になっても仕方がないと。
全力で自分に向かってきてみなさい。って千裕様が言ったんです。」


「えらい、自信家だな。勝算もないくせに・・・」


「ないです。勝算は最初からないんです。」


「ん?」


「千裕様は裕文さんに負けてもいいと、負けた方がむしろいいって・・・。」


「なんだと!バカにしているのか。」



「いいえ。もともと三崎の本家筋の方々が会社を継ぐのがふさわしいとおっしゃっています。
千裕様は学校で生徒相手に勉強を教えている方が性にあっていると思っているんです。
お父様がすべて決めてしまったことで、千裕様ご自身はただ、そこで労働している社員の皆さんが普通に暮らせればご自分のことは後回しにする人なんです。」



「いいたいのはそれだけか?何を言おうが、根本的に、母を泣かせる元凶であることには変わりはないんだ。
好きでもない女と結婚すればいいんだ。はははは。」



ひかるは裕文に話す言葉が思い浮かばなくなってしまい、涙が出てきました。


「そんなに千裕が他の女と結婚するのが悲しいのか?」


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