元気あげます!
「いえ・・・千裕様が好きになって結婚される方でしたら、私はそれでいいんです。
もともと世界が違うって家出したのは私なんですし。
でも、不幸になったしまうのがわかっているのに、私には何もできないでいるのが悔しくて。

裕文さんのお母様がそこまで千裕様を憎まなきゃならない理由が想像できなくて。
だって、お父様が千裕様のお母様とお付き合いがあったのは、裕文さんのお母様と結婚する前とききました。

以前つきあっていた女性との間に子どもができて、ご自分にも子どもができて・・・でも相手の女性は家にも乗り込んでくることもなく、シングルマザーの道をすすんで迷惑をかけないようにしたんですよね。

それから、亡くなってしまって、もう時間だってたってしまっているというのに。
お父様が千裕様を呼ぶ話があったときに、反対はなさらなかったのかと。」


「親父はわがままだからな。
けど、経営については立派な社長だった。
会長になった今だって人脈はものすごい人だから、親父に反抗するなんて一生孤立するようなものだ。
生きていけない。」



「はぅ・・・お金持ちってとても大変なんですね。」


「な?何ひらきなおっているんだ。
そんな手にはのらないぞ。」


「あ、、、、裕文さんってお仕事していないときって、話し方が千裕様に似ているんですね。今気がついた。
ちょっと俺様モードになりますね。」


「今度は話をそらす気か?」


「べつに、そんなこと・・・思ったままを言ったまでですよ。
ご兄弟なんだなぁって。」


「じゃあ、試してみるか?千裕とどっちが感じるか・・・」


「えっ・・・!」



裕文はひかるを両腕をつかんで押し倒し、首すじに唇を這わせてきました。


「や・・・やだ・・。ふ・・・うう・・・」


耳たぶを軽くかんでから、首から胸に向かってなぞっていき、ひかるの唇を奪おうとすると泣きべそ顔だった目からとうとう大粒の涙がとめどなく流れていました。



「もういい、僕は父さんとは違うからなっ。
これから僕の家にきてもらう。ホテルじゃ千裕の部下に連れ戻されるかもしれないからな。」


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