元気あげます!
「ダメよ。私はちっちゃくてもいいから自分のお店をもつのが夢なの。
その夢をかなえるにはね、三崎のノウハウを学ぶのが絶対有利なの。」
「へぇ・・・」
「それにね、三崎の販売部門のリーダーがとってもステキな人でね。
今は24才の若さでスーパーの代表取締役なんだけど、賢くて、優しくて、私たちが見学させてもらったときも、もうほんとに希望にあふれてる!って感じで絶対ああいう人と仕事したいぃ!って思ったの。」
「スーパーの代表は淳裕さんですね。」
「あつひろさん、あつひろさんっていうの?」
「たぶん。私メイド志望だから。いずれ私がお仕事できるようになったらお世話させてもらえるかも・・・」
「いいなぁ。そういうのもいいなぁ。私生活とか見れる?」
「三崎さんの息子さんはほとんどお屋敷にはいないんだけど、いずれは・・・かもね。」
その後ひかるはクラスの友達とも比較的打ち解けることができ、楽しい学園生活が送れそうな手ごたえを感じたのでした。
学校が終われば、お屋敷でメイド見習いが待っているので、ひかるは急いで校舎を出ようと走りました。
校舎を出たところで、なにやら騒ぎが起こっていて、無視して校門へ向かおうかとしたひかるでしたが、見た目に超よわよわしそうな男の子がちょっと不良っぽい男の子に怒鳴られている模様を見てしまい、思わず、声をかけてしまいました。
「謝ってる人間に向かって暴力ふるうの?」
「なんだ、おまえは?」
「人に名前聞く前に自分が名乗りなさいよ。」
「ちぇ、偉そうだな。いいだろう。俺は3年の北橋輝人。こいつはな、俺が裏庭で育てているバラ園のバラをちぎったうえに捨てやがったんだ。」
「バラ?見た目あわないねぇ・・・」
「ほっとけ!俺はな園芸や植木の方面目指してるんだ!
俺の家は代々、三崎の奥様のバラを育てさせてもらってる。
それをこいつがなーーー!」
「わかった。それで北橋さんはこの人をどうしたいんですか?」