元気あげます!
「誰か来たようだ・・・。さよなら、ひかる。」
「は、はい。お大事に・・・。」
ひかるが病室を出ると、裕樹が来ていました。
「裕樹さん・・・」
「おつかれ。あとは任せとけ・・・」
裕樹は裕文の前に椅子を置いて座ると、ニヤッとしてつぶやきました。
「あのコに悪役で近付いたのは、失敗だな。
千裕への対抗心で焦って行動するのはいつものことだろうが、1つだけ焦らなかったな。」
「何が言いたいんだ。」
「健康な男女が同じマンションに暮らしててさ・・・男は女に興味を示さずか?
そんなことないよな。
彼女が泣く顔を見たくなかったんだろ。
おまえはそういう優しいヤツなんだよ。
悪役なんか最初からできるわけないって。」
「うるさい、家をほったらかしにしてたヤツが・・・」
「すまなかった。これからは罪滅ぼしをやるからさ。
母さんのことなんだけどさ・・・じつは・・・」
「もういいよ。これからは親のことより、自分をもっと高めないといけないから。」
「そうか・・・。いい男になったら、ひかるちゃんが惚れ直してくれるかもしれないもんな。
千裕のところから出てきちゃったりして・・・。あはは。」
「いい加減にしろよ。俺はべつに!」
「ん?」
「千裕がひかるを泣かせたら、さらってくるのも面白そうだな。ふふっ。」