元気あげます!
ひかるはプチ懐かしい屋敷にもどってきました。
幸恵と千裕と高田がそろって玄関まで出迎えてくれました。
「あれ、どうしたんですか?みんなで・・・」
「どうしたんですか?じゃないだろ。」
「心配してくれてたんですよね。ごめんなさい・・・遅くなっちゃって。
交代で裕樹さんがみてくれてますから。」
「ああ、俺が兄さんに行ってくれって頼んだんだ。」
「そうだったんですか。」
ひかるは幸恵のすすめで、とりあえず食事とお風呂をすませにいきました。
そして、ひかるはその日は久しぶりの自室に入ったまま朝まで出てきませんでした。
千裕はわざと自分を避けているのかと心配になり、夜更けにこっそりとひかるの部屋の様子を見にいきました。
部屋のカギが開いていて、ひかるはとても疲れた顔をしてベッドで眠っていました。
「避けられたわけじゃなさそうだな・・・。疲れたのか。おやすみ。」
翌日は学校が休みでひかるが寝坊していると、いきなり千裕がひかるの部屋まで入ってきて、布団をはがされてしまいました。
「あっ・・・ん。 何するんですかぁ!!!学校休みなんですから寝てたって・・・」
「おまえはずっと学校さぼってたくせに、寝坊してる場合じゃないだろ。
もうすぐ定期試験なんだから、慌てて補習しなきゃならないんだ。
早く、起きて顔洗って、メシ食って書斎まで来い!」
「え。ええーーーーーー!またですかぁ・・・。はぁ・・・。」
ひかるは暗い顔をしながら、千裕の書斎へ入りました。
ぐぃっといきなり腕をつかまれると目の前が真っ暗になり、状況を把握するのにちょっぴりの時間を要したくらいです。
((千裕様の胸の中だ・・・。抱きしめられてる。))
「ずっと音信不通でどれだけ心配したと思ってるんだ。
行き先はわかっていても、連絡を取る方法がなかったし、夜はどうしているのかとほんとに・・・もう。」
「ごめんなさい。連絡をとったら、裕文さんの怒りを余計にうけて、千裕様の身に悪いことが起きそうで、ずっと我慢していました。」