元気あげます!
ひかるは少し、おどろいて琴美の顔を見ました。


「その気持ちわかるわ。
自分自身の力を試したいって気持ちは女だってあるんですものね。
あなたは殿方に甘えてばかりで暮らしていけるような人じゃないから、そばにいれば嫌でも千裕との実力の差を感じずにはいられないのでしょう?」


「はい。そんなこと思うことさえ、バカなのかもしれません。
私が千裕様と同じレベルになることなんて絶対無理だということもわかっているんです。
でも・・・私のせいで千裕様がバカにされるようなことがあったら・・・と思うと、近付けないんです。
今は、生徒だからって学校内で話せても、卒業したら・・・。

どこでも近くで話すことができない関係って・・・千裕様がいちばん苦しむ結果をもたらしてしまうでしょう。」



「そうね、父親を批判して、今度はその父親と同じことをしようとする・・・ひかるさんは千裕の母親を超えて見せるのがいちばんいいわね。」


「あの、フランスで生活するにあたって・・・あの費用とかは・・・すみません、会って間もないのにほんとにずうずうしくて。
藁にもすがりたいから・・・私!」



「きまりね。費用なんて気にしなくていいわ。
言ったでしょう。恩返しと私の面倒までみてもらう条件なんですから、あなたひとりくらいポケットマネーでも余裕よ。おほほほ。」



「((あ・・・なんかやっぱり三崎家のおばあちゃんかも・・・。))
あ、ありがとうございます。」



「高校を卒業したらすぐに来て下さいね。
ああ、この年になって久しぶりよ。ワクワクしちゃうのは・・・。
三崎の子どもたちはみんな男の子ばかりだったでしょ。
そろそろ、みんな年頃になってお嫁さんがくるんだわ~って思ってきてみたんだけど、千裕のお相手が光子さんのお子さんなんて。

私がいっしょにいるんだもの、いずれ千裕をひざまずかせるほどのすばらしいレディにしてあげます。ねっ。」



「琴美様ぁ・・・」











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