元気あげます!
ひかるはニコニコ顔の琴美といっしょに屋敷にもどってきました。
そして、琴美は千裕にひかるが高校卒業後にフランスの琴美の住まいでいっしょに暮らすことを告げました。
千裕はひかるの顔を見ながら「そうか、がんばれよ。」とだけ言うと、部屋にもどっていきました。
琴美は当初の予定では1週間滞在してフランスへもどるつもりでしたが、ひかると幸恵と過ごすのが楽しいらしく、いつのまにか季節は秋が終わり、冬になっていました。
「琴美様、明日はクリスマスイブですね。」
「もうそんなに日が経ってしまったのね。楽しいと過ぎるのが早いわ。」
「あの、私たちがんばってお料理作りしようと思うんですけど・・・」
と、幸恵が話をきりだしたところで、琴美は
「あ、明日はね、あなたたちも私ときてほしいの。
本家に乗り込みますよ。
ここでパーティーしていただく予定になってたならごめんなさい。
日をずらしていただいてもいいかしら。」
「それはかまいませんけど・・・でも・・・本家に私たちが行ってもいいんでしょうか?」
「行かなかったら、裕樹も千裕もお見合い相手と結婚することになってしまうかもしれませんよ。」
「ええっ!!!でも・・・ねぇ・・・。」
「あら、ひかる、どうしたの?」
「私・・・本家で人前に出られるような服なんて、持ってないんです。」
「私もです。普通のOLなのでバーゲン品なんてねぇ・・・」
幸恵も気まずそうに答えました。
「洋服の心配なんていらないわ。先週のうちに注文しておいたから、おうちに届いているはずよ。」
「はぁ・・・((さすが三崎のおばあさまだ・・・。))」
幸恵とひかるは顔を見合わせ苦笑いをしました。