元気あげます!

「な、何なんですかぁ!」


「あのな、すでにおまえの仕事が遅れてるんだぞ。
高田もイライラして待ってる。
俺はおまえのお抱え運転手じゃないんだから、もうこういうことやらないからなっ!
早く着替えて、仕事行ってこい!

終わったら俺の書斎に来ること。
補習やるから。」


「な、なんで、千裕様に補習してもらわなきゃいけないんですかぁ??」


「おまえの担任にも頼まれてることだ。
ブランクあるし、三崎はそこそこ目指す場所によっては勉強は難しい。」



「私できれば淳裕さんにお会いしたいです。」



「淳裕?何かふきこまれたのか?」


「頭がよくて、親切で、優しくて、ステキって・・・」


「残念だったなぁ。あいつは今、フランス行ってるよ。それに、勉強を教えるのはあいつはいちばん大嫌いだ。

とにかく余計なことは考えずに仕事して来い!」



「はいっ!えーーーーーん。鬼ぃ!」



「ふぅ・・・もっとおとなしいのかと思ったけど、けっこうじゃじゃ馬みたいだな。
先が思いやられる・・・ううっ違う。
のぞむところだ!」


千裕は中断した自分の仕事がたまってしまったので、ひかるが見習い修業をしている間、必死に片付けるのでした。




夜23時になって、ひかるはそ~っと、千裕の書斎に現れると、千裕が机に突っ伏したまま眠っているのを発見。


「遅くなっちゃったと思ったら、寝ちゃってる。ラッキ~♪うふふ。
起きてるとうるさいのに、寝てるとちょっとかわいいかもぉ・・・
やっぱりメガネはない方がいいね。

あ、これじゃ補習は無理みたいだし、連絡帳と先にもらってた課題のプリントだけ出しておこうっと。」



千裕の背中に毛布をかけると、ひかるは自室にもどっていきました。


< 13 / 143 >

この作品をシェア

pagetop