元気あげます!
クリスマスイブ・・・ひかるたちは緊張した面持ちで三崎の本家と呼ばれる三崎隆裕、沙代子夫妻と対面しました。


ひかるがこわごわ、沙代子の方に目をやると裕文と先に目があって、裕文がにっこり手を振っていました。

咄嗟にぺこりと会釈したものの、何が始まるのか心臓が痛くなる思いでした。



琴美が最初に挨拶を述べ、家族で集まれたことに対して喜びの言葉を言いました。
続いて、隆裕が現在すすめられている仕事について少し話をしました。

そして、仕事関係で裕樹が公務員を退職し、三崎の事業に本格的に携わる報告をしました。


裕樹が仕事に対する決意を述べ、引き続いて、幸恵との結婚について正式に決まったと発表がありました。

ひかるは幸恵の手を握って「おめでとう」と祝福しました。

隆裕と沙代子夫妻は家業嫌いの裕樹を決心させてくれたお礼を幸恵に言いました。


そして幸恵が、自分が裕樹との結婚を決めたのは千裕とひかるのおかげだと答えると、隆裕と沙代子の表情が少し曇りました。


その様子を感じ取った、ひかるは幸恵の後ろに下がって、まだ後ずさりしてしまいました。


「怖い・・・。やっぱり場違いなんだわ。」
ひかるの手が震え始め、もうこの場を逃げようと一歩下がろうとしたとき、ひかるの両肩をポンと千裕がたたきました。


「逃げだすときはいっしょだ。」

そう言って、ひかるの左手を握りました。




そこで、隆裕が事の真相も知らないかのように、千裕の婚約者はどうしたのか?と話しはじめました。


すかさず、裕文が説明をはじめ、お見合いの時点で手違いがあり、婚約者と称する女性は現れなかったと言いました。

ところが裕文の説明に納得しない沙代子は、早急に千裕のお見合い相手を捜すと言い出しました。


それまで黙っていた千裕はその場で、ひかるを妻にしたいので見合いの話はいらないとはっきり言い切ったのですが、沙代子は納得しない様子で、ひかるの父が行方不明なことや母親が施設で千裕の産みの母に取り入っていたのではないかなど、あることないことを言われ、千裕は激怒し、ひかるは涙をいっぱい浮かべました。



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