元気あげます!

近所の公園、ゲームセンター、そして飲食街とひかるは初めて千裕と歩いて出かけました。


「なぁ・・・これ、食ったら帰るぞ。
それにしても、前が見えない・・・。」


「しょうがないじゃない。うどん屋さんに自分で入って、熱いの頼んだのは千裕様なんだから。」


「めがね外してもいいだろ。いくらなんでも、このままの方が拷問。いや、変質者だって。」



「仕方ないなぁ。食べ終わったら、かけてくださいね。」


「了解。ズズ、ズズズズズズズーーーーーーーッ””””!」



((やっと思い描いてたデートらしいことができたと思ったら、離れちゃうんだなぁ。
あ、ダメダメ。自分で決めたことなんだから。
家族の期待を受けて、がんばらせてもらうんだから、しっかりしなきゃ!))



「おまたせ、帰ろう。・・・さっき俺が食べてる間、じっと見て考えごとしてた?」



「ううん。すごいなって見てただけだよ。」



屋敷の門が見えてくるあたりまでもどってきて、千裕はひかるの手をつかんで言いました。



「出かける前に話してたことだけど、フランスで思うようにいかなかったとしても必ずここにもどってきてほしい。
ひかるは俺に対して、気を遣いすぎ!
もう、親父さんもお兄ちゃんもいるんだし、金銭的に引け目に思わなくていい。

こういっても、琴美さんが学費出してくれるしとか言い出しそうだけど・・・。

俺は感謝されるためにひかるに近付いたんじゃないんだ。

ずっと前に見つけて、俺がいっしょに居てほしいと思った。
金融系の会社を裕文にくれてやっても、学校でひかるに会いたいと思った。

ばかげてるよな。
子供じみたことやってるなってわかってるけど、ひかるの側に居たい。
どうしようもなく、ひかるが好きだから・・・。


なぁ、逃げたり隠れたりするのだけは、もう絶対しないでくれないか。
それとも、俺がそんな束縛するこというから、いい返事をくれないのか?」
< 138 / 143 >

この作品をシェア

pagetop