元気あげます!

千裕は午前3時前にいったん目を覚まして、ひかるが置いて行ったものを見ました。

「しまった。俺が寝てしまった・・・。けど・・・ふふっ・・・なんか懐かしいな。」


眠い目をこすりながら、まずは机においてあったメモを見ました。

『遅くなってしまってすみませんでした。もう寝ておられたので、課題と連絡帳をおいて今日は休みます。
明日からまたよろしくお願いします。お風邪など召しませんように。』


とひかるからのメッセージが書いてありました。

そして、次に連絡帳を見るとひかるの担任から気になるメッセージがありました。


『国語や英語などの語学、歴史、社会などは日々の課題や授業で皆のレベルまで追いつくことは容易だと思われます。
しかしながら、理数系については1年の勉強および、それ以前の勉強を補わないと、おちこぼれていく危険性が大です。

今後の進め方など、ご検討いただければと思いますので、よろしくお願いします。

津田』


((理数系ねぇ・・・ご検討もなにも・・・おぃ・・・))




翌日、ひかるはお昼休みに食事をすませると、学院長室に走って行きました。

しかし、部屋はカギがかかったままで、千裕の姿はどこにもありません。
少し、残念顔で、教室にもどる途中で、北橋輝人に声をかけられました。


「ひかるちゃん、昨日は手伝ってくれてありがとう。」


「あ、こんにちは北橋さん。」


「あれ、なんかイマイチ元気ないみたい。何か困ったことでもあるの?」


「じつは・・・」



ひかるは数学や科学の授業についていけないので、せっかく仲良くなったクラスのみんなに迷惑をかけてしまうことを気にしていると言いました。


「津田先生や千裕先生が少しずつ補習してくれることにはなっているんだけど、その日当てられるだろう問題とかあるとね・・・ほんとに困っちゃって。」




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