元気あげます!
「ちょ、ちょっと待って。
ここで生活って・・・千裕様のお屋敷は?」
「ああ、ときどきあっちも帰るよ。
だって、誰かさんきちんとした返事くれないままだしさ、自分だけフランス人の男と何か期待してるんじゃないか。なんて、勘ぐってしまうじゃないか。
それで琴美さんとデートを交換条件にして、俺の拠点もつくってもらったんだ。」
「私だけが知らされてなかったんですね。ひどぉ~い・・・。」
「あ、怒った?ものすごい気分害してる・・・とか?」
「ううん。会えなかったのがずっと悲しかったから、こうしていっしょに居られるなんて・・・ほんとにうれしい。」
「仕事でときどきいなくなったりはするけど、俺がここにいると便利なこともあるよ。
ナンパを気にすることなく、外出できるし、ガイド代わりにもなる。
経営学の学校でわからないことがあったら、すぐに解決できる。」
「え?千裕先生って化学と数学が専門なんじゃ・・・」
「ああ、高校はそうだけどね。いちおう俺って大企業のオーナーだからさ、経済、経営、語学、設計、金融はこなすよ。芸術はちょっと苦手なとこもあるけど、資格の数だけなら200くらいあるかな。」
「う・・・そ・・・。」
「外国は飛び級って便利なものあるから、若い時にヒマに任せていろいろやったしね。
ひかるが忙しそうなときは、俺が料理も作っておいてやるからさ。」
「もう・・・・・やめて。いやったら、嫌だ!」
「ひかる・・・。わかったよ・・・ごめん勝手なことして。」
千裕が肩をおとして部屋を出て行こうとすると、ひかるは行く手を阻むようにして声をあげました。
「違うでしょ!俺が勉強させてやるんだから、メシくらい用意しておけ。でしょ。
朝も時間通りに起こせよ!でしょ。
薄いコーヒーは嫌いだでしょ。
疲れてるんだから服を脱がせろでしょ。
悪い成績とったらぶっとばすぞでしょ。
それに・・・それに・・・」