元気あげます!
いつものように、千裕の書斎でひかるが勉強していると、しばらく席をはずしていた千裕がもどってきていいました。
「文化祭の日なんだけど・・・淳裕につきあうの?」
「やっぱりダメですよね。そんなの・・・2人でなんて・・・」
「いいよ。あいつはどうせ、俺がダメだと言っても聞くようなヤツじゃないからな。
楽しい学園生活っていう部分はかなりあいつの会社に世話になってるし、おまえもずっと詰め込み教育だったから、羽をのばしに行って来い。」
「え・・・なんか・・・」
「イヤなのか?」
「いえっ・・・なんか珍しいなって思って。ふだん学校で不純異性交遊とかうるさいことばっかり言ってるのに、私からすれば、まだ初対面の淳裕様と出かけなさいなんて。
千裕様のお言葉とは思えません!」
「あのなぁ・・・学生と淳裕とは違うぞ。あいつは俺が言うのもなんだけど、そういう責任のとれるヤツだからさぁ。」
「そういうって・・・」
「だから、たとえば淳裕がなんかの間違いで、おまえを襲ったとしてもだな、あいつは逃げるようなやつじゃないし、そもそも、そういうニアミスはやらないやつだ。
みんなに好かれる経営者は誰にでも人気があるからな。
そのあたりの自分の守り方もあいつはよく知ってる。」
「へぇ、すごいやり手な方なんですね。同じクラスのコも淳裕様のすごいファンがいますけど、話をきいていると、どんなすてきな王子様かと思っていました。」
「で、本物を見た感想は?」
「ん~~~ご挨拶だけでしたから、わかりません。でも・・・」
「ん?」
「淳裕様は千裕様とお顔だちとか似てないんですね。
すてきなのはもちろんなんですけど・・・なんか・・・ご兄弟っぽくない。
弟なのに千裕って・・・おっしゃったりして。
そういえば、3番目の裕文さんをお洋服買ってもらうときにお見かけしたんですけど、裕文さんと淳裕さんは似てますよね。」