元気あげます!
そして、文化祭の前々日、生徒会から学校全体へ通達がまわってきました。
「え~と、なになに・・・今年の文化祭の最後に三崎の服飾部門の新作ドレスが着られるシンデレラコンテストを行ないます。
自薦、他薦はどちらでもかまいませんので、明日中に投票してしてください。
投票の結果はシンデレラ本人にのみ、当日の16時頃連絡し、文化祭の閉会のときに皆さんへ発表します。
なお、シンデレラに選ばれた人は、三崎淳裕先生のエスコートにて、場内一周していただきますので、ふるってご応募ください。だってぇ~~~~」
「ハコちゃん、淳裕先生のエスコートだよぉ。がんばれっ!」
ひかるのクラスの女の子たちの間ではこの話でもちきりです。
男の子の間では、エスコート役が淳裕だということにひっかかる点や、わざとかわいいコに投票してやらないなどという意見が飛び出していました。
「なんで、今年急に、ミスコンみたいなことをやることになったんだ?」
北橋輝人は生徒会室で渋沢に文句めいたことを言いました。
「よほどいい衣装ができあがったんじゃないのか?」
渋沢がそう答えると、北橋は
「どうせなら、エスコート役も投票で決めてほしいよなぁ。だったら・・・」
「おまえはどうせ落ちるから、関係ないだろ。衣装負けだ。、そういう投票なら、僕の方がエスコート役の確率はずっと高いぞ。」
「げっ、ナルシストかよ。どんな服か知らないけど、俺、このまえ三崎様のお屋敷の植木の手入れの手伝いにいって、ひかるちゃんのメイド服姿を偶然見ちゃったんだよな。
すげ~~~かわいかったぁ。」
「なにっ、写真とかないのか?」
「ない。そんなのうっかり撮ってみろよ。あのうるさい千裕先生に没収されちまう。」
「それだ!」
「なんだよぉ、大きな声だして。」
「千裕先生をダシに使えばいいんだよ。千裕先生の自宅に先生を訪ねる。これでどうだ!」
「おぉーーー!さすが生徒会長、すげ~ことを思いついたな。
先生をダシに使って侵入してしまえば、制服以外のひかるちゃんと遭遇する確率は高い!」
いろんな思惑が張り巡らされた中で、文化祭が開催されるのでした。