元気あげます!
三崎のお屋敷では、朝からにぎやかです。
「千裕せんせ~!お先に行っちゃいますよぉ。」
「ああ、気をつけてな。俺はもう少し寝てから、あとでのぞきにいく。
淳裕、こういうじゃじゃ馬な生徒だけど、頼むな。」
「僕もちょっとびっくりだったよ。最初すごい静かで丁寧なコだと思ってたら、ひかるってすごいパワフルなんだもんなぁ。
僕の方がひきずられそうだぁ。あははっ」
「誘ってくれたのは淳裕様なんですからねぇーーーーー!」
「あっ、ちょっと待った。学校では様はつけないで。淳裕さん、とか、あっくんとか呼んでくれないかなぁ。」
「えっ・・・あっくん・・・ですか。でもそれはあまりに・・・馴れ馴れしすぎて・・・友達に殺されます。
淳裕さんで・・・。」
「OK。じゃ、いってきま~す!」
「淳裕様はひかるを気にいってくださったようでよかったですな。まぁ、気に入られすぎも心穏やかではありませんか。千裕様としては・・・」
高田が小声で言いながら玄関を片付けていると、千裕が高田に小声で何気なく聞き返しました。
「俺が昔ひかるに会った話をひかる本人や他の誰かにしたことがあるか?」
「いいえ、千裕様からお聞きしてから誰にも口外いたしておりません。わたくしはこのうちの中で千裕様にいちばん幸せになっていただきたいと思ってこの年でまだまだお仕えしているんですから。」
「無理はしないようにな。」
「ありがとうございます。千裕様もこのところ、あまり寝る時間なかったのでございましょう。お休みなさいませ。
お昼に起こしに参りますので。」
「ああ、頼むよ。」
文化祭ではクラスごとの出し物が講堂内で行われ、それが終わると、各教室での展示や模擬店などが並んでいました。
ひかるがカジュアルジャケットにサングラス姿の淳裕と校内を歩いていると、葉子たちクラスメイトたちはびっくりしています。