元気あげます!
病院へ運ばれた千裕は緊急手術を受け、一命をとりとめることができました。
もしひかるの発見が遅れていたら、出血死していたのは間違いありません。
ひかるが待合室で待っていると、高田と淳裕がやってきました。
「ひかるちゃん、千裕を助けてくれたんだってね。」
「いえ、あのとき、私だけじゃ何もできなかった。ハコちゃんが私の動作が変だって近寄ってきてくれなかったら、動けなかったんです。
それに渋沢先輩もいてくれなかったら、あの光景を見て、パニック起こしてました。」
「そっか、君はいい友達に囲まれているんだね。
でも、どうして、千裕がこんなことになってしまったんだろう。
誰が・・・」
「そのことなんですけど、私が渋沢先輩たちと模擬店めぐりからもどろうとしたときに千裕様を見かけたので、少し後を追ったんです。
そしたら、モデルさんみたいにスラっと背が高くて、ヒールを履いて並んだら千裕様と同じくらいの身長の女性が千裕様の腕に自分の腕をこうからめるようにして、学院長室の方へと歩いていったのが見えたんです。」
「モデルみたいな女?・・・・・もしかして、その女ってつばの広い帽子とかかぶってなかった?あと、モノトーンっぽい服装とか?」
「はい、黒のタイトスカート・・・帽子もかぶってました。」
「厄介だな・・・。こりゃ。」
「その女性の心あたりがあるんですか?・・・淳裕さん、ご存じなんですね。
私・・・さっき警察の人にも女性の特徴を話してしまいました。」
「そう・・・すぐわかることだから、言うけど・・・たぶんその女性は岸浦詩織さんって人だと思う。裕文の元婚約者で、千裕の現婚約者だ。
それ以上は、ここでは言えない。。
僕が警察で詳しいことは話すよ。」
淳裕と高田も取り調べに呼ばれ、警察へと向かい、ひかるはひとりで千裕に付添っていました。
そして、ちょうどいつも、補習を受ける時間くらいになって、千裕は意識をとりもどしました。