元気あげます!
「あれ、ひかるがいる・・・。いつもとちょっと場所は違うけど補習しなきゃな。」
「何言ってるんですかぁ!死にかけてた人は安静にしていなくちゃ。」
「ミスったな。まさかの無防備だったから・・・」
「千裕様のうそつき。婚約者がいるなんておっしゃってなかったじゃないですか。」
「うそついてないって。聞かれなかったから言わなかっただけ。
それに俺は自分で婚約なんてしていない。
親父が、勝手に息子たちを戦争の道具にしてるだけさ。・・・つっ・・・」
「痛そうだからお話はまた明日にしましょう。
意識回復したから、私は高田室長とお屋敷にもどります。」
そういってひかるが立ち上がろうとすると、千裕がひかるの腕をつかんでいました。
「そう慌てなくても・・・」
「あれぇ・・・千裕様。もしかして、ひとりになるのが怖いとか言わないでくださいね。」
「怖くはないけど、さびしくなる。誰か来るまででいいから・・・何も話しなくてもいいから。」
「じゃあ、居てあげますけど、元気になったら何かお礼に買ってくださいね。」
「図々しいヤツだな。・・・ありがとう。」
千裕はひかるの腕をつかんだまま、目を閉じました。
その後、取り調べが終わった、高田と交代して、ひかるは淳裕と屋敷へもどって行きました。
「ひかるちゃんは千裕が好きなのかい?」
淳裕の車で帰宅途中、淳裕が突然質問をしてきました。
ひかるはしばらく黙っていましたが、本音ですとことわってから、答え始めました。