元気あげます!

「あ~ん、息はダメぇーー”」


「あはは、ひかるちゃん、首弱いのかぁ・・・」


そのとき、きちんとしまっていなかったドアが開いて、千裕が声をかけました。


「おぃ、おまえら何やってんだ?
ひかるはこんなとこで、さぼってんじゃね~ぞ。
山積みの問題、さっさと解かないと、クリスマスないって言っただろ。
さっさと来い。」


「はいっ!」


千裕の後をついて廊下を歩いていると千裕がさりげなく話します。


「大丈夫か? この時間にはあいつの部屋には行かないほうがいいぞ。
酔っ払ってることもあるしな。」



ひかるは後ろから千裕の隣まで早足で追いつくと、


「すみません、お手数おかけしました。さぁ、ラストスパートでがんばらなきゃ!」

といって、また後ろへ下がりました。


その後、いつものように、千裕の書斎の机を借りて、猛勉強したのはいうまでもありません。





期末テストはひかるが苦手とする化学から始まって、これまた苦手な数学で終わるという日程でした。

数学が終わって、教室はテストが終わった喜びの声であふれていました。

その日の放課後、どこへ行こうか。何か食べに行こうかととても楽しそうです。



しかし、ひかるはどうも体がだるくて、ふわふわした気分でした。


「あれ、どうしたんだろう。足が自分の足じゃないみたい。」


教室の自分の席に座ったまま、すぐにも睡魔が襲ってきます。

終わりのホームルームには担任が出張に出たということで、千裕が教壇に立ってしゃべっていましたが、テレビをつけっぱなし状態のような感覚になっています。







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