元気あげます!
「今日からこちらでお世話になることになりました。皆川智晴です。」
「半年ちょっとメイド見習いをしています。水口ひかるです。」
「皆川君は日中全般にわたって、執事見習いとして学んで、そして働いていただきます。
ひかるは日中は三崎学院で勉強、帰宅後からメイドの仕事をしてくれています。
私は、おふたりの指導係、そして使用人統括係としてお屋敷に常時勤務しています、高田です。
とはいえ、使用人全般のことは後輩にとっくに引き継ぎまして、現在は千裕様のじいとして老体に鞭をうってます。
昼食が済んだら、表の掃除からやっていただきましょう。」
そういって、高田はいったん外へ出て行ってしまいました。
皆川と2人っきりになって、しばらく無言かつ気まずい空気なってしまい・・・ひかるはとにかく何かしゃべらなきゃ!とあせってきました。
((どうしよう。千裕様と同じくらい年齢?もっと上かな?頭もよさそうだし、何の話をすればいいんだろう?))
ひかるが困っていると、皆川の方からひかるに質問がきました。
「水口さんのことをどうして高田室長はひかると呼び捨てで呼ばれるのですか?」
「えっ・・・それはえ~と・・・事情をお話すると長くなってしまうんですけど、簡単にいうと、千裕様が私のことを気軽にひかると呼ばれますので、高田室長もひかると呼んでくださるようになって・・・。」
「好かれておいでなのですね。」
「えっ・・・そう・・・かなぁ。あはは、あは、あはは。あっ、皆川さんも水口さんじゃなくてひかると呼んでください。」
「しかし、私の方がここでは後輩ですし・・・。」
「でも、人生の先輩でしょ?」
「まぁ・・・年齢は千裕様と同じなんですが・・・ここに来たのは会社では役にたたなかったからですしね・・・あっ、では私も名前で呼んでいただけないですか?」
「はぁ?」
「私がひかると呼ばせていただくかわりに、そうですねぇ、ともはるとか言いにくかったらトモでもいいです。」
「えぇーーーー!((見た目は千裕様より年上に見えるほど落ち着いているのに、呼び捨てなんてぇ)) トモって言っていいんですか?」
「はいっ、ぜひ。」