元気あげます!
ひかるが千裕の書斎へ行くと、千裕がパソコンをさわっていたので、ひかるは声を先にかけました。
「千裕様、今、お仕事中ですか?」
「いいや、こっちに来いよ。・・・がんばってきたみたいだな。顔が疲れてる。あはは」
「ほんとに疲れましたよ。初めての人と初めてのことですもん。」
「それで、感想は?」
「えっと、先生はどちらもとても親切で、よく教えてくださいました。」
「ここにこの時間に来れたということは、俺がインストールしておいたメールソフトも使えるってことだな。おまえ、かわいいもの好きだから、それっぽいのをいれておいたけど、どうだ?」
「え、ほんとにかわいくて、気に入りました。ありがとうございます。」
「宿題も出ただろ。困ってるところあったら言ってみろ。」
「あ、それは大丈夫です。」
「遠慮しなくていい。俺もやっと仕事が落ち着いたし、補習もできるかなっと思ってたくらいだしな。」
「いえ・・・もうできましたから。」
「おまえひとりで完璧にできるとは思えないんだけどなぁ。
パソコンの方の課題を考えたのは俺だしな。」
「ええっ!千裕先生になっちゃってたんですかぁ?」
「でも・・・。ここに来る前に皆川さんに教えてもらって仕上げちゃいました。
メールソフトも私はさわっちゃだめなんだと思ってたら、皆川さんが千裕様にしてはかわいいものが入ってるからって開いてくれて・・・」
「ぬぁにぃーーーー!!で、どこの部屋で教えてもらったんだ?」
「私の・・・」
「おぃ、おまえがここに来てすぐに俺はおまえに注意したよなぁ。
この屋敷は女っ気がとくに少ないし、夜はとくに男ばかりだから、ひとりで出歩かないこと。食堂や高田の引率以外は行かないこと。
個人的なつきあいで部屋の行き来はしないこと。
淳裕が酔ってる気配があるときは近づかないこと。って・・・いろいろ言ったよな。」
「でも・・・」
「でもじゃない!!!そういうことして、取り返しがつかないことになったらどうするつもりだ!」