元気あげます!
「ねぇ、ひとつだけきいてもいい?
どうして、千裕様が代表やってる会社ってお店以外は女の人が少ないの?
秘書もみんな男の人だったよ。」
「おまえには言いたくない。」
「言ってくれたら、私はここにいられると思う。たぶん・・・」
「仕事しやすいから。女性が多いと命令しにくいし、わがままはきけない体質だし、学生のときから、財産も含めて寄ってくる女が多くて、その都度、母屋の両親にとがめられて、自然と男が多くなった。
このままいけば、両親が決めた相手と結婚するはめになるだろう。
でも、あがきたかった。
俺のいちばん気に入ってる女が自力で俺を迎えに来て、俺の鎖を断ち切ってくれるんじゃないかと。
そのためには俺でできる努力は惜しまない・・・と。
勝手な言い草だよな。嫌がれているのに・・・。」
「がんばればいいんでしょ。鎖を断ちにいければいいの?
鎖を切れば、私も苦しくなくなる?」
「おまえがどう苦しいのか、俺はわからない。」
「住む世界が違うって思ってた人がどんどん、自分に近づいてきて、優しくしてくれたら・・・私だけのために優しくしてくれたら、どんな女の子でも勘違いしちゃうよ。
私のこと好きでいてくれてるのかなって。
kissまでしたくせに、突然そっぽ向かれて、かと思えばまた使用人男性にやきもち焼いて、子どもみたいなこと言って。
もう、信じらんな~い!って思ってるのに。
信じられない・・・でも、側にいるとどんどん好きになっていくのがわかるの。
お金持ちで、実業家で、しかも、学校の先生で・・・ってそんな人好きになっちゃったら禁断の愛なんてもんじゃないわっ!」
「クスクスクス・・・そうだな。確かに、そうだ。
けど、今の話きいたら、俺も姑息な手段ではなくて、自力で俺らしくのし上がることをやってみたくなった。」
「どうするの?」
「まだ、わからん。近いうちにいい考えを出してみせる!
おまえは、禁断の愛を卒業しろ。・・・なっ。あはは」
「卒業できるかなぁ・・・。」