元気あげます!
「無理はいけない。相手の幸せを思うことは大切なことだよ。
でもね、相手だって君が自分のせいで、つらい思いしてると知ったら、幸せにはなれないと思うな。

とにかく、恐い取り立てのお兄さんとかやってきてないならさ、普通にまず自分がしっかり生活できるようにがんばってみよう。

僕のガールフレンドに君の生活のサポートを頼んであげるから、僕らみんなでやっていこう。」

「みんなって?」


「ボロアパートなんだけどね、住民どうし友達ってやつさ。僕のアパートにきてもらってもいいんだけど、彼女怒るだろうしさ、同じアパートの向かいの部屋だから、女同士の方がいいかと思って。
必要経費は、出世払いでいいよ。

そういう人も同じアパートにいるからね。」


結局、三崎裕昭のガールフレンドという西谷幸恵さんのおたくにしばらく居候させてもらうことになってしまったひかるでした。

幸恵はしばらく裕昭と話をしていて、それからにこやかに、ひかるにいるように言ってくれました。


「本当にいきなりなのに、ありがとうございます。
私、しっかり働いて、ご恩返しします。」


ひかるは寝る場所があって、ホッとしたのかお風呂の後、すぐに眠ってしまいました。


ひかるが眠っている間、裕昭は幸恵に事情をさらに詳しく話していました。


「ごめん、急に。気分よくはないよね。先にもいったけど、あの子の生活費は三崎の家から確実に払うから安心して。」


「いいのよ。私はお金ほしさでひかるさんを預かるって言ったんじゃないもの。
少し、お話したんだけどね、あなたのいったとおり、あのこ私と同じこと気にしてるし、私も同じ悩みを抱えて他人事とは思えないし。

私が今、あなたとこんな半端なお付き合いしているのも、あのこと同じだと思う。
だって、私たち4人って同じような生活レベルの似たような家の人だったら、兄弟になってるかもしれないんですものね。」


「たぶん、今日は弟が大変なことになってると思うんだ。
とても真面目な弟だから、連絡したらすぐさま飛び込んでくるだろう。

でも、それじゃひかるちゃんがきっと逃げてしまうよな。
そんなことになったら、それこそあのこは生活が追い詰められてるから何をしでかすかわからないだろ。


< 54 / 143 >

この作品をシェア

pagetop