元気あげます!

だから明日になったら、弟の信頼をおいてる誰かに様子をきくことにするよ。
あとは弟の行動次第でうまく伝えてもらおうと思ってる。
それにしても、こうなってくると、三崎の家はほんとにめんどくさい。」


「家をほったらかしにしてきた人が言うセリフじゃないでしょ。
弟さん、ひかるちゃんを本気で愛していたら、大変よ。
複数の会社で代表してるんでしょ。私たちでできることは何とか役にたってあげないと。」

「ああ。」


翌日、パソコンを教えていた吉岡が買い物の途中に、裕昭に呼び止められました。


「あなたは・・・裕樹様ですね。お久しぶりでございます。」


「突然すみませんねぇ。あなたなら千裕の部下ですし、私が紹介した男の奥さんですから話をわかっていただけるかと思って声をかけさせてもらいました。・・・」


ひかるのことをきいた吉岡は、すぐに大きな声をあげました。


「ひかるさんが、裕樹様のところにぃ!!!どういういきさつだったんですか?
私は千裕様の命令でひかるさんにパソコンを教えていたんですが、今朝出社したら、いきなり教えなくていいっていわれて・・・。
それに、千裕様が・・・」


「やっぱりあいつ、どうかなったのか?」


「ええ。今まで、かなり苦しいときでも、無断欠勤なんてなさらない方ですのに、お屋敷の高田さんに電話をしましたら、放心状態のままなんだそうです。
そんなことほんとに、ほんとにはじめてで・・・。」


「こりゃ、深刻だな。根本的に三崎の家のルールをぶちこわさなきゃ、僕たちの誰も幸せは来やしない。」


「まさか裕樹様とお会いして、お話できると思いませんでしたけれど、どうやらご兄弟のお力になれる大役をいただけたようで、とても光栄ですわ。

なんとか、千裕様にわかっていただけるように、説明してみます。
連絡は当分、私から裕樹様へいれさせていただいたらよろしいですか?」

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