元気あげます!
「もちろん、そちらもしっかり承りました。
とてもやりがいのある仕事をさせてもらえて、光栄です。
では、ひかるさんの方はお願いしますね。」
「了解です、吉岡さん。」
その頃、千裕のいる屋敷では、自室にこもりっきりの千裕に高田が手をこまねいていました。
そこへ吉岡が到着し、高田に裕樹に出会ったことや、ひかるが裕樹の彼女と同居していることを伝えました。
高田は早速、千裕に伝えに行こうとしましたが、吉岡はこの件については、自分に任せてほしいと高田に頼みました。
今のひかるを無理に千裕が連れ戻してしまったら、ひかるの心が壊れてしまい、それこそ取り返しのつかないことになってしまう。
そして、裕樹も三崎の家のせいで、彼女との間がぎくしゃくすることがあって、悩み続けてきたけれど、ひかると千裕の話を知って立ち上がれるかもしれないと高田に伝えました。
高田はこの件はすべて吉岡に任せることにしました。
吉岡はとりあえず、このときは千裕に会うことなく、帰っていきました。
1日、千裕が何か行動を起こすのではないかと様子が見たかったのです。
結果はかなり悪く、翌日屋敷に寄ってみても、千裕はほとんど食事もとらないまま、自室にこもっていました。
吉岡は深呼吸をすると、千裕の寝室へと向かいました。
コンコン。
「千裕様、おいででございますか?吉岡です。
会社の方にお見えにならないので、寄らせていただきました。
体の具合が悪いのですか?
なんとかお部屋から出てきてもらえませんでしょうか?」
吉岡が呼びかけても返答はありませんでした。
そこで今度は呼びかけ方を変えて呼んでみました。
「あの~~~~私、昨日、ひかるさんを見ました。
お元気にやっておられましたよ~」
ガタガタガタガタ・・・カチャ。
「ひかるを見つけたのか?」