元気あげます!
「そうか・・・とりあえず、一安心だな。じゃ、仕事は?
ひかるは変なバイトなんか・・・」


「それも大丈夫です。お昼中心のファーストフード店やカフェで働く条件を裕樹様が出されたようで、三崎から追手が来るまでは夜の仕事はしないようといわれたらしいです。」


「なるほどぉ・・・そっか・・・。でも、ずっとそのままというわけにはいかないだろ。
学校がまだ1年あるんだ。場合によったら、俺がここを出てでも卒業してほしい。」



「私にいい案がございます。今のひかるさんは自立しようと必死なのです。
三崎に頼らなくても、借金という枷がなければ、ひとりでやっていけると自信をもってもらうことが、スムーズに次のステップへいけるのではないかと私は思うんです。」


「うん・・・。なんとなくわかるんだが・・・けど・・・あいつは俺が好きだといってくれた。好きなくせに、出て行ってしまった。
世界が違うと無理に線をひいて、俺の立場が悪くなると勝手に解釈して。」



「女は追われると逃げます。あら、逆もそうかもしれないですわよね。
ここは突き放しましょう。
私が偶然、見つけたといい、彼女に定期的に会うことにします。
女どうしですからね、ショッピングしながらでも話してみますわ。

そして、登校はさせます。
ここで、お願いなんですが、偽の仕事を用意してもらえますか?
パソコンでできる仕事を教えて、夜がんばってもらって給料をもらってもらうんです。


こちらにいるようなわけにはいかないでしょうが、そこは裕樹様へ彼女の生活費をお渡しするようにして、サポートすれば自力で仕事をしながら、ひかるさんは通学もすると思いますよ。」


「学校は来てくれるだろうか?俺に会うことを拒むのでは?」


「そこはちょっと仕掛けをしておきますので、ご心配なく。
千裕様にしてほしいのは・・・とにかく突き放して。
彼女がつらそうな顔をしても、彼女を避けてください。できますか?」



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