元気あげます!
「しかし・・・報告はいれないと・・・」
「問題なく過ごせているでいいと思います。少なくとも今日は・・・でしょう?」
「そ、そうですね。あの、偽名でお過ごしになられるなら、私は立場上『三浦クン』と呼ばせていただきますが、よろしいでしょうか?」
「かまいません。あなたの部下扱いでお願いします。仕事は僕自身の仕事内容ですけどね。先ほどもお困りのようでしたし・・・。」
「さすがですね・・・じつのところ助かりました。」
「僕はまっすぐに頑張ろうとする人には親切なつもりです。
姑息な手段で会社を私物化するような経営者にはなりませんのでね。」
「はぁ・・・。三浦クン、夕方まで水口さんの仕事のチェックお願いしますね。
もし、お客様との約束とか入っていたら、先に報告をお願いね。」
「ふっ・・・わかりました。」
ひかるは三浦から与えられた仕事の内容を読みながら、文字入力をしていました。
((なんか…難しい内容なんですけど・・・。海外の金融情勢がどうのこうのって・・・この手のお仕事って千裕様の仕事なんじゃないのかしら?
すごく仕事ができそう。って感じよね。))
「あ、わからないところがあったら遠慮なく言ってください。
内容的には専門用語とかたくさん入っていますから、ゆっくりでいいので、入力ミスがないように。」
「はい。」
退社時間がきて、ひかるは吉岡に呼ばれ、新学期から高校へ通うように言われました。
高校に通えば、仕事ができないし、千裕のいる高校へは通うのをためらってしまいます。
すると、横から三浦が突然、吉岡に声をかけました。
「吉岡さんそういえば、三崎学院高校の代表を千裕様がお辞めになったんですよねぇ。
これからは本業1本にしぼるのかなぁ。」
「えっ・・・千裕様が学校を・・・やめた。」
そして、三浦はすかさず話を進め、
「水口さんは高校卒業してなかったの?ここでは臨時だからいいけど、もしこれからも三崎の会社でやっていく気がするんだったら、学校は出た方がいいよ。
ま、三崎じゃなくても世間ではもう大卒でも就職難だけどね。」