元気あげます!
そして、ついに本番の土曜がやってきました。
三浦と最後の調整を昼食を取りながらし終えると、会場へと向かいます。


「リラックス・・・」

「そんなこと言われてもぉ・・・」


「あはは。そういうところはやっぱり10代の女の子だね。
君の今の実力というものを、見せてもらいたいと思ってね。
たかが雑用ではあるけれど、条件によって人は変わる。
もし・・・僕の思ってる以上のことが見えたときには、今の給料の2倍、僕が出すから僕の秘書としてきてほしいな。」


「え、給料を出すって・・・。みう・・えっ?あれ・・・その名札。」


「HIROFUMI MISAKI・・・僕の本名ね。
さすがに、この建物じゃ偽名で通用しないから。あははは・・・」


「裕文さん・・・あ、もとぃ、裕文様って」


「千裕の腹違いの弟。淳裕の兄です。誤解のないようにいっておきますが、水口さんと仕事をするようになったのは、ほんとに偶然です。
吉岡が人事部長に、あなたのことを話していたのをきいて、男子社員欠員1名に僕が応募しただけ。

うちのメイド見習いのはずの女性がどこまでできる人なのか、直接知りたかったしね。」


「すべてご存じなのですか?」



「何をどうご存じかなんてきかれても、ほぼ全部知らないと言った方がいいと思う。
だからこそ、こういう荒っぽい会場へ君をつれてきました。

僕は、仕事ができる人は男性でも女性でもどんどん高度なことにチャレンジできる場を与えたいと思っているんです。
逆に、人情にかられて後ろへ引かれる人はさっと切り捨てる。

君はどっちなんでしょうね。ふふっ」



((仕組まれていたんだわ。吉岡さんと裕文様に・・・。
でも、ここまできたら、やるしかない。
自分でできることをやるだけやって、恥をかいたら、クビになっちゃうのかなぁ。
やだ、ここまできて、やめさせられたら、行くところが・・・。
幸恵さんたちに顔向けできない!
とにかく、ここは私ががんばるしかないんだ。))






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