元気あげます!
ひかるの肩が小刻みに震えていることに気付くと、花束を机置いて、ひかるを抱きしめました。
「あっ・・・」
「よくやった、ありがとう。君のおかげで本当にうまくすすめることができたよ。」
「いえ、もうただ必死で・・・。ほんとに裕文様に頼ってしまって・・・」
「それでいいんです。味方は2人だけだったんですから。
僕の言葉で震えが止まらなければどうすればいいかとも思ったんですけど、僕の目に狂いはなかったということかな。
もう、そんなに怯えないで。
これからも、二人三脚でがんばっていかなきゃいけないわけだし・・・ね。」
「え?」
「君は証券本部で僕の秘書・・・」
「そ、そんなっ・・・むり、無理です!」
「といいたいところだが・・・学生の身でできる程あまくはないのでね、いつも通りあの会社で仕事を手伝ってもらって、今日みたいな特別日の手伝いをしてもらうことにするよ。
卒業したら、学校へ直接僕が君をもらいうけに行くことにしようか。
それとも、大学に進学するかい?」
「進学なんて・・・そんな。私の父が多額のお金をいただいてしまっているのに・・・」
「それは、千裕の会社の問題でしょ。千裕には僕から、借金分を返せば済むこと。
ただ・・・千裕のところへは君は返さないけどね。」
「えっ・・・」
「僕と千裕は兄弟ではあるけれど、ライバルでもあるのでね。
行き来してもらうわけにはいきません。
住まいも僕の家に移っていただこうかな。
何なら、今からきてもらってもいいけど。」
「いえ、それは困ります。
同居してもらってる女性がいっしょにいてほしいっていいますし、せめて、卒業までは今のままでいたいです。」
「なるほど。そのくらいならいいでしょう。残り1年足らずのうちにじっくり考えておいてください。」
「はい。」
ひかるは疲れと新たな不安でふらふらしながら、幸恵の部屋にもどりました。