元気あげます!
「そんなことはありません。でも千裕様を負かすのがわかってるお手伝いだと思ったら、私・・・。今の仕事できない。」


「気にすんな。俺はもともと弱肉強食な職場は苦手だ・・・。裕文にどんどん蹴落とされていって、下っ端の会社員になったらひかると自由に交際できるんだけどな~」


「そんな・・・だって千裕様の会社の人たちもご家族も、千裕様がおられるからがんばっていられるんでしょう?放棄するようなことしちゃだめです。」


「母親みたいなこというんだな。そこまで言うなら、俺といっしょに仕事しろ。
まぁ・・・裕文は、すぐに返してくれなさそうだがな。
とにかく、ひかるの身に何かあったら困るし、仕事では思いっきりぶつかって来い。

仲は悪いけど、兄弟なんだから、負けた会社が倒産するなんてことはないから。
じゃ、学校でな。」



「はい、おやすみなさい・・・。」



電話をきってから、ひかるはうれしそうな表情を浮かべました。


「うわさの・・・千裕様ですかぁ?うふふ」


「なっ!!幸恵さんいつからそこに?お向かいに行ってたんじゃ?」


「行ったけど、すぐ帰って来たわよ。
その携帯は千裕様とのホットラインなのかしら?」


「吉岡さんがくれたんです。それで・・・メール出したんですけど、答えは電話でしか受け付けないって返事だったんで。それで・・・」


「あ、いいのよ。気にしないで、自由にお話でもメールでもしてくれていいのよ。
見てて、ひかるちゃんがとてもうれしそうで、かわいかったもんだから、ちょっとひやかしてるの。あはは。」


「幸恵さぁ~~ん。」


「私も会ってみたいわ、千裕様。
ひかるちゃんを数分でこんなにかわいく変えちゃう王子様なんでしょ。
学校に見に行っちゃおうかな。うふっ」


「やだっ、幸恵さんダメです。学校での千裕先生はとってもダサいんですから。
わざとというか、そっちが本当というか・・・王子様じゃないですから。」





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